427: ◆3dKAx7itpI[saga]
2011/06/01(水) 22:58:31.45 ID:fpRPrYGKo
そんなセトとは対照的に風斬とキャーリサは焦燥していた。
直感だが次の神戮の設定範囲はほぼピンポイントで黒の化身に定められている。
だがそこで本当にセトへ神戮が炸裂した場合、実際には喰らわないものの衝撃波などは
確実に風斬やキャーリサをも巻き込んでしまうだろう。
セトによってカーテナの恩恵を失い、ただの人間と化しているキャーリサや、
AIM拡散力場をセトの説明不能の力で制御されてしまい、人工天使としての力を振るえない風斬が
そんなものに飲み込まれてしまったら当然、無事では済まない。
運が悪ければ即死してしまう恐れもある。
そんな彼女たちの事情など、暴徒である悪魔が考慮してくれるはずがなかった。
「命令名『一掃』――――――投下」
悪魔の力によって彩られた夜空から、容赦なく殺戮の豪雨が降り注いでくる。
上空に浮かぶ気味の悪い記号や裂け目が神戮を遮ってくれるのではと稚拙な考えも頭によぎったが、
どうやらそれらの現象にそんな効果は無いようで、神戮は普通に素通りしてきた。
「く、そ・・・・・・・・・・・・!!!」
キャーリサは思わず奥歯を噛み締めるが、そんな事をしても流星雨は止まりはしない。
神戮の壁となっていたグリフォン=スカイの大群もセトによる黒雷で全て蒸発してしまっている。
一方の風斬はガタガタになった地面にペタンとしゃがみ込んだまま、呆けた様子で
空を見上げているだけだった。彼女にはもう、神戮を避けたりするほどの力すら残っていない。
1002Res/536.54 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。