637: ◆3dKAx7itpI[saga]
2011/06/05(日) 17:54:04.46 ID:kzLIOaUKo
垣根の発言は見当違いだった。一方通行が言いたいことはそんな事ではない。
確かに垣根が魔術を使用していると知ったら一方通行も風斬も怒鳴り散らして止めていただろう。
能力者が魔術を使えばどうなるか、彼らは知っているのだから。
けど、一方通行は知らなかった。気付けなかった。
いつも近くに居た垣根帝督の無茶に、自分は気付けなかった。
(・・・・・・ここまで来ると、鈍感じゃなくて痴呆だな。 ・・・・・・情けねェ)
一方通行は自分に呆れていた。ミーシャの真意に気付けず自分の鈍感さを痛感しながら、
更に垣根帝督の事も気付けない自分に。
言葉を発する事が出来なかった。ありがとうも、すまなかったも、この馬鹿野郎も無い。
ただ、
「・・・・・・・・・・・・無事で良かった」
「はあ? ・・・・・・・・・・・・、」
一方通行が漏らした本音に、垣根の我慢の限界が訪れた。
彼はププッと吹き出して、腹を抱えて笑った。
くつくつと、その笑い声にも最早力が無かったが、それでも彼は笑った。
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