951: ◆3dKAx7itpI[saga]
2011/06/11(土) 22:54:00.03 ID:yWZotOlgo
思わずたじろいでしまいそうになる程の嫌な音が絶え間なく響く。
風斬の腕に走っている亀裂はあっという間に全身に及び、彼女が人間ではないことを
改めて再確認させられる。
卵の殻が地面に落ちる軽い音と共に、風斬の頭の中が少しだけ顕になる。
その中には彼女の存在を保ち続ける三角柱の『核』がふよふよと浮いていた。
しかし誰の目から見てもそれはもうすぐ自壊することがわかるくらい弱々しい塊で、
「あ、一方通行、さん。 わ・・・・・・私、・・・・・・・・・・・・」
「風斬、」
「いや、だ。 消えたくない、『死にたくない』!! 死にたく――――」
悲痛な叫びは突然停止ボタンを押されたように途切れてしまった。
一方通行の目の前にある地面に光り輝く破片や粒子が砂時計の砂をぶちまけたように散らばる。
そして緩やかな風と一緒に、風斬氷華という少女を構成していたそれが間もなく沈む夕日に向かって運ばれた。
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