過去ログ - とある仮面の一方通行
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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/05/22(日) 00:21:07.52 ID:0kcpvrlfo
芳川「あなたならそう言ってくれると思ったわ、それじゃあ頼んだわよ」
 
一方通行「それで9982号はどこに居ンだよ」
 
9982号「ここにいます、とミサカはささやかに自分の存在をアピールします」
 
一方通行「てめェが9982号か?」
 
9982号「だからそうだと言ってるじゃないですかこのアンポンタン、
     とミサカは理解力が少し弱そうな一方通行を馬鹿にしてみます」
 
したり顔で話す9982号は、とてもじゃないが感情のない人形には見えない。
 
一方通行「あァ!!?ぶっころすぞコラ!!
      ……チッ、今まで殺してきた相手を護衛するとかわけわかンねェなァ……
      どこのB級映画だよ……」
 
9982号「ミサカも不本意なんです、我慢しやがれ、とミサカは嫌々一方通行を激励してみます」
 
一方通行「はいはい、クソむかつく応援アリガトウ。……さっさと行くぞ、来やがれ」
 
9982号「実験以外で死ぬのは困るのでしっかり守ってくださいね、
     と、ミサカは学園都市第一位の能力にだけは期待してみます」
 
一方通行「チッ……めンどくせェ……」
 
口の減らない9982号を護衛すると言うのは、本気で面倒だと感じる一方通行だった。
 
・・・
 
9982号「ところでどこに向かっているんですか?とミサカは黙々と歩いている白髪に尋ねてみます」
 
一方通行「飯食いに行くンだよ……こちとら起き抜けに呼び出されてなンも食ってねェンだ」
 
9982号「ほほう、流石の第一位も空腹には勝てませんか……
     これは打倒第一位作戦の一つになるかもしれませんね、とミサカは自分の知謀に恐れを抱きます」
 
一方通行「兵糧攻めされるとか俺はお前一人の実験にどンだけ時間費やしてンだよ!?」
 
9982号「ミサカの華麗な逃げ足を知らないからそんなことが言えるんですよ、とミサカは自信ありげな表情を浮かべてみます」
 
一方通行「追いつかれるかヘバるかのどっちかだと思うけどなァ……っと、お前もあそこのレストランで良いだろォ?」
 
9982号「そうですね、ミサカはこうやって娑婆で食事をすると言うのは初めてなのでどこでもいいですよ、
     とミサカは初めてのレストランに胸をときめかせながら同意します」
 
一方通行「はっ!娑婆ってなァ言いえて妙だなァ。あンな牢獄みてェな場所いつまでもいるもンじゃねェよ」
 
9982号「……ですが、ミサカにとってはあそこが世界のすべてでした」
 
9982号はうつむくと、その表情を少し曇らせた。
 
一方通行「……チッ、さっさとついてこい」
 
本当に目の前の9982号はただの人形なのだろうか、と一方通行は考える。
レストランに向かう道中で、周りの景色を見てコロコロと表情を変える姿。
そして今の悲しそうな表情。
果たしてこれのどこが感情のない人形なのだろうか。どう見てもただの人間にしか見えない。
 


―――なら、今まで殺してきた妹達は?
 
確かに、かつて手をかけてきた妹達からは、話し、脅し、害をなしてきても、感情の欠片も見いだせなかった。
しかし、目の前の少女の姿を目の当たりにすると、今までの妹達もこうなる可能性があった、いや、こうなれたのではないだろうか。
 
だとしたら、今まで自分のやってきた事は何だったのだろうか。
 
無敵になりたかった。味方がほしかった。ただ、それだけだったのに。
1万人近くの人間を殺し、これから更に1万人近くの人間を[ピーーー]。
1人殺せば殺人者、100万人殺せば英雄というが、
それはあくまでも戦時下における自国からの評価であり、敵国からしたらただの悪魔だろう。
なら、戦時下でもないし、敵でも無い。そんな人間を2万人も[ピーーー]自分は一体何者なのだろうか。
気の遠くなるような時間をかけて、千切り、潰し、引き裂き、殺し尽くした果てに、自分には何が残っているのだろうか。
 
一方通行「……クソったれが」
 
考えても、詮無きことだと切って捨てた。


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