939: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/07/27(水) 17:32:32.57 ID:ZsHX3CDOo
アイギスの真剣な眼差しを見た岳羽は、納得したように呟く。
「……そっか」
「と言う事は、卒業したらしばらく会えないかもしれないですね……」
少し寂しそうにしながらも、それぞれの夢を邪魔をしたくない山岸は、素直にアイギスの応援をした。
「順平の奴も、なんだかんだで進学するって言って息巻いてるし」
順平と呼ばれた男。
その名を伊織順平と言うのだが、岳羽が言うには彼もまたやりたいことが決まっているらしい。
「吉野さんを支える、そんな男もとい漢になるって張りきってましたね」
その時の様子を思い出したのか、山岸はクスリと笑った。
吉野さん―――本名を吉野千鳥と言う名の少女なのだが、
彼女は今現在記憶喪失の真っただ中で、記憶を失う前は伊織順平がいなければ生きる希望すら無かっただろう。
しかし、記憶を失った今もなお心に残る「優しくて暖かい『あの人』」を探しだすと言った具合に、生きる希望を見出している。
「優しくて暖かい『あの人』」とはまさに伊織の事なのだが、いつか互いに報われる時がくるだろう。
そんな2人に思いを馳せた後、岳羽はコーヒーを手に取り、それを飲む前に別の名を口にした。
「真田先輩や桐条先輩も、自分の進む道を行ってるんだろうなあ……」
コーヒーを一気に飲み干した岳羽は、卒業して以来会っていない2人の先輩に思いを馳せる。
割愛するが、本当に色々あったのだ。
幾多の出会いも経験したし、たくさん、笑った。
そして。
別れも、体験した。
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