954: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/07/27(水) 22:45:59.33 ID:ZsHX3CDOo
「なンでこンなうさんくせえとこに行かなくちゃならねェンだよ」
喫茶シャガールにて、珈琲の真髄を味わった一方通行は、
街中を散策して11年前の事について何か知っている人間が居ないか探していた。
昔からこの地に住まう人間なら、何か知っているかもしれないと考えたからだ。
その過程で、オルソラがあそこに行きたいとか、あの機械は何とか、
オルソラの赴くままに街中を歩きまわっていたのだが、これと言って何か良い情報が得られた訳でも無かった。
そして、なんやかんやでたどり着いたのが、ここ。
「眞宵堂、ねェ……」
骨董品屋か何かだろうか。
ガラス張りの中に所狭しと展示されている品々は、好事家が喜んで収集しそうな骨董品であった。
「こういった骨董品屋さんには、魔術的な意味のある品々が置かれていたりするのでございますよ」
一方通行は少し得意げに語るオルソラの横顔を眺めつつ、興味なさげに相槌を打った。
「こういった事には、興味がございませんか……?」
少し目をうるっとさせて尋ねるオルソラ。
何も知らない人なら、もしも「では、この幸せになれる壺は如何ですか」と言われても喜んで買うだろう。
なぜならオルソラの庇護欲そそられる顔を見られた時点で幸せだからだ。
「……まァ、どっちにしろここの住民に色々聞かなきゃならねェからなァ」
その言葉を聞いて、花が咲くようにパァッと顔を明るくさせるオルソラ。
何だかんだ言ってここまで連れてきたのは一方通行自身なので、特に文句も無かった。
そしてそのまま、骨董品屋へと吸い込まれて行く。
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