過去ログ - 仮面ライダー ―『約束 2011』―(魔法少女まどか☆マギカ×小説版仮面ライダー)
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11: ◆U7CDgQgh.w[saga]
2011/05/22(日) 19:48:54.39 ID:r+8ZPoNy0





長い黒髪の少女…『暁美ほむら』は、外見こそ努めていつもの鉄面皮を装いつつも、
その内心は、かつて無い程に動揺していた。

その理由は……『有り得ないモノ』を見たからに他なら無い。

「それじゃぁ…暁美さん」
「今日からあなた『達』が通うクラスへと案内するから…ついて来てくれるかしら」

本日より自分のクラスの担任となる早乙女和子女史が自分を呼ぶ声が聞こえるが、
その声も、動揺に支配された彼女の耳には、まるで届きはしない。

それでも、彼女の体が殆ど無意識的に早乙女女史の後をついていったのは、
この動作を、彼女がそれこそ『何十回』も『繰り返した』が故か。

「なぁなぁ…アンタも転校生なんだろ?」
「同じ日に…同じ学校に、それも同じクラスに転校して来るなんて奇遇だよなぁ」

隣を歩くの赤い少女が話しかけて来るに、ほむらはかろうじていつもの冷たい視線を向ける事が出来た。
望まぬ『繰り返し』の中で、否応なく顔に張り付いた、冷たい鉄面皮に、今は感謝する。

かつての『弱い自分』であれば、動揺のあまり、とっくに正体を無くしていただろう。

「(どういう…事なの?)」

ほむらの中で何度も繰り返された疑問が、またも立ち上がる。
何度となく続く『繰り返し』の中でも、こんな事は一度たりとも無かった事なのだ。

余りにも、余りにも突然の予期せぬ事態に、彼女の心は『不安』と『期待』に押し潰されそうになる。

『繰り返し』の中で手に入れた、編み出した『パターン』が、この『時間軸』では役に立たないのではという『不安』。
『繰り返し』の中では今まで見た事の無かったこの新たな『事象』が、この『時間の牢獄』を突破する『鍵』となるのではと言う『期待』。

この二つの感情を、決して表に出さぬように努力しながら、ほむらは隣の少女を見る。

今までの『繰り返し』の中で何度も出会って来た『彼女』は今、初めて見る格好に身を包んでいる。
自分と同じ…『見滝原中学』の女子用制服に……

「アタシは…『佐倉杏子』ってんだけど…アンタの名前は?」

そう問うてくる、この『時間軸』では予期せぬ形での『初対面』となった『魔法少女』に、
暁美ほむらは、自分の名前を名乗り返した。

「――――『暁美ほむら』よ」

いつもの…静かで冷たい声で、そう返したのであった。



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