317: ◆qE9xJWndOc[sage]
2011/07/30(土) 13:32:47.97 ID:9+KpXEJx0
私は美樹さんが何を言おうとしているのかわからずに、ただ美樹さんの次の言葉を、ひたすらに待つしかなかった。雨の勢いはだんだんと強さを増していく。
「……暁美さんはさ」
ようやく、美樹さんが一つ、息を吐いて声を押し出すようにして言った。
「はい」
私は、小さく返事。ずっと黙っていたせいか声が出にくい。それとも雨に濡れているせいか、もしかしたら風邪を引き始めているのかもしれない。
帰れば良かった。
このままこの人を放って、「帰ります」と帰れば良かったのに。
私はなぜか帰れなかった。
美樹さんの表情がよく見えなかったからかもしれない。もっと話していたいとか、そんなことを思っているわけでもない。なのに、私は動けなかった。
「暁美さんは、女の子同士って変だと思う?」
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