17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/05/25(水) 07:32:07.38 ID:e4L2bnF2o
「がまん、できないよ……とうまぁ……」
認めたくない。そんなはずはない。
頭の中が否定系で覆い尽くされる。
それでも壁を超えた向こうでは、海原の意思などまるで無視したままで話が進んでいく。
「ん、なんだって?聞こえねえなあ、美琴?」
「や、ぁ……とうま、えっち、したいよぅ……んむっ」
何かが吸い付く音が連続する。水のような、吸盤のような。
何の音かなんて考えず、その場を離れるだけで良いのに。
たとえば足音を聞かれても、自分だとは気付かれず自分も何もなかったように買い物へ戻れるのに。
どうしても、足は動かなかった。
ただ、フロアから誰か来ないかどうかだけが、気がかりだった。
「俺もしてえよ……ん、ちゅ……好きだ、美琴……」
「あむ、んぅ……ちゅっ、ちゅう……わたし、も、好きぃ……」
静かな空間に、ちゅぱちゅぱという音が乱反射する。それに重なる、かさこそと服が擦れる音と、荒い吐息。
フロアからは遠くBGMが聞こえるが、エツァリの耳には入っていなかった。
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