6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/05/25(水) 02:06:08.55 ID:e4L2bnF2o
「ね、ほんとにここでするの……?」
「何言ってんだよ。我慢できないって言ったのは美琴だろ?」
誰かと会話をしているようだった。
その返事をするのもとても聞き覚えのある男の声、そして女の名前。
知らない。記憶にない。そう思い込みたい。
どくどくと急に暴れ出した自分の動悸が煩い。どうせなら聞こえて来る声も何もかも消してくれればいいのに。
たとえ誰がここに入ってこようと関係ないが、どうか自分の聞き間違いであって欲しいと心から願った。
「それはそうだけど……ね、誰か来ちゃったら……」
「その時は静かにしててもらわないとな。それとも、帰るまで待てるか?」
「あ、や……むり……だめなの……」
しかし、現実は無情にもその幻想をやすやすと打ち破る。
これは何だ。一体何が。
突然のことに頭も身体も、何一つ動かなかった。喉が異様に乾いて痒い。
咳き込もうと息を吸うが、吐息となって音もなく口から出ていっただけだった。
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