過去ログ - BORDER BREAK SS
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3: ◆2BKUj1MfpU
2011/05/27(金) 01:27:47.37 ID:bAdlR0AH0
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『作戦エリア上空に入る前に、もう一度今回のミッションを確認します』

機内のスピーカーから響いてくるのは、オペレーターであるフィオナの声。
その報告により、レオは自分がそろそろ戦場へ到着することを認識する。
そんな彼の状況を知ってか知らずか、気遣わしげなフィオナの報告は続く。

『今回はマグメルへの登録試験ということで、スカービ渓谷へと布陣したEUSTの部隊を撃退することがミッションの内容です。
 なお、当然ながら敵部隊からブラストの反応が多数検出されており、ブラスト同士での戦闘が予想されます。十分気をつけてください。健闘を祈ります』
 
それだけを告げると、フィオナからの通信は切断された。
まもなく、レオとその他の試験参加者を乗せた輸送機はスカービ渓谷へと到着する。
そこへ待っているのは生と死の闘争。つまりは戦争だった。

GRFとEUSTのニュードを巡る抗争は、傭兵であるニュード耐性保持者――『ボーダー』と彼らの駆る『ブラストランナー』――通称ブラストを使った代理戦争へと発展していた。
そこへ参加するのは傭兵市場や兵器会社などの軍需産業。
『マグメル』とはその軍需産業のひとつ、傭兵であるボーダーへと仕事を斡旋したり、ブラストの調達などを仕事とする民間軍事会社(PMC)である。

そしてレオは新人ボーダーとしてマグメルに登録するべく、今回の登録試験へと参加しているのだった。
彼に緊張は無い。別にブラストに乗るのも、戦場に出るのも、人を[ピーーー]のも今回が初めてではないからだ。
以前に地獄を見たことがあるからだ。その時の彼は無力だった。しかし、今は違う。
ボーダーとして、ブラストという確固たる力を持っている。もう繰り返しはしない。

『まもなく作戦エリアです。各員発信準備をお願いします』

というフィオナの声とともに、輸送機のハッチが開いてゆく。
その声を聞きつつ、レオは淀みの無い手つきでブラストのOSを起動させる。
次々と明滅していくモニターを見ながら、機体に異常が無いか確認していく。
すべてに以上がないことを確認し終わったところで

『ブラスト起動。戦闘モードへ移行します』

とのアナウンスが合成された電信音声でレオへと伝えられると同時に、機内のニュード機関が駆動を始めた振動が彼の体を揺らす。
一度きつく目を閉じてから、再び目を開ける。彼が戦闘前に必ず行う精神集中作業の一種だった。
それが終わると同時に、フィオナからの通信が入る

『作戦領域へと到達しました。ブラスト各機、発進してください』

「了解、ブラスト起動。発進する!」


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