過去ログ - 王様「ハハッ」 ほむら「・・・は?」
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31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/06/01(水) 17:23:15.54 ID:+sbLAR5q0
ほむら「美味しい、まどか?」

マドカ「ウェヒヒwww」

ほむら「そう、良かった」

 晴天の下、見滝原中学校の屋上で暁美ほむらは小さな鹿目まどかと共に食事を取っていた。誰もいない静かな場所。さらに用心して、ほむらは貯水路の陰に場所を取った。二人の足元には水玉のビニールシートが敷かれており、縁側には整然とほむらのローファーが置かれている。まどかは分断された爪楊枝を使って、ほむらの用意したおかずカップの上に盛られた野菜や果物を食べている。まどかは時々、ほむらが食べようとしているものを欲しがった。ほむらはそのたびに、箸で細切れにし、まどかの口へ運んだ。

マドカ「ウェヒヒwww」

ほむら「美味しい?」

マドカ「ウンッ!」

 ほむらはまどかを慈しみに満ちた笑みで眺めていた。まどかはほむらが静観していることなど意に介さず、再び容器の中の果物を食べ始める。それからしばらくして、屋上に誰かが来訪した。ほむらは顔をしかめ、まどかに少し擦り寄ると、耳を澄ませた。

さやか「あっれー、誰もいないなぁ」

まどか「ほんとだ・・・此処も違うのかなぁ・・・?」

さやか「うーん・・・野郎、かくれんぼの上手い奴め・・・ちくしょぉ暁美ほむらーっ!どーこじゃーっ!!」

 ほむらは舌打ちした。まさか鹿目まどかと美樹さやかが自分を探しているとは・・・しかし、何故だ?自分が彼女たちに追われる理由が解からない。何か大切な用件があるのだろうか?学校行事に関して・・・いや、自分は肝要な役目を担ってなどいないはずだ。

まどか「さやかちゃん、そんな叫んだりしたらほむらちゃんに怒られるよ?」

さやか「だってさー、せっかく一緒に飯食おうってのに全然みつかんねーんだもん。これじゃぁあたしらが飯食う時間なくなっちゃうっつの!ほらまどかも!」

まどか「うぇへっ!?は、恥ずかしいよぉ!」

 食事の誘い?・・・ほむらは自身が胸を高鳴らせていることを、どうしても否定したかった。ありえない、どうしてそんなものに自分が喜悦しなければいけないのか・・・第一、彼女は私に好印象を抱いてはいないはずなのに・・・何か裏でもあるのか・・・?・・・彼女たちと徒党を組んでも、自身に何の利益がないことを、ほむらは知っている。

マドカ「サヤカチャン!」

ほむら「しー・・・」

 何よりまず、この子をどうする?授業中に窮屈な思いをさせてしまったんだ、せめて昼休みくらいはのびのびさせてあげたい・・・だからこうしてひとけのない場所を取ったのだから。

さやか「ん?まどか、今何か聞こえなかった?――よし、まどか、さぁやれ、やるんだ、やってしまえ!」

まどか「うぅ・・・じゃぁ・・・一回だけだよ?――ほむらちゃーん!」

 鹿目まどかの自分を呼ぶ声に、ほむらは心を揺さぶられた。・・・出来るのであれば、また、彼女と・・・。去来してくる過去の華々しい思い出。繰り返されるのは彼女の笑顔で、彼女との希望の記憶・・・。
 それは実に甘美なものだ・・・しかし、そうなれば、この説明し難い小さなまどかに窮屈な思いをさせてしまう・・・。二律背反に苦悶するほむらを他所に、まどかは満足そうに食い倒れていた。

さやか「ほむらめーっけ!」

ほむら「――」

さやか「にしし♪」
 
 貯水タンクを見上げると、微笑むさやかと目が合った。


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