過去ログ - 王様「ハハッ」 ほむら「・・・は?」
↓
1-
覧
板
20
44
:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]
2011/06/08(水) 14:44:18.01 ID:YeDjxSsp0
まどか「・・・わたし」
鹿目まどかは自室のベッドに仰臥して考える。あのとき、自分はQBの名を呼んだ。彼との契約を交わし、あそこにいる親友を含めた全ての人たちを救うために。魔法少女になること、それとても素敵なことだと思う。人知れず悪を討ち、仲間と助け合い、そして・・・。
まどかの頭に去来したのは大口を開けた魔女。その口の奥の深淵を間近でまどかは覗いた。唸り、力の限り目を瞑った。・・・ゆっくりと瞼を開けて、涙を拭う。誰もが瞠目に硬直した瞬間――あそこで、イグニスと名乗る黒コート怪人が来ていなければ・・・マミ・・・そして自分達は今頃・・・。考えて、布団の裾を思いっきり引き、体を横に向けると、中で頭を両手で押さえ、脚を折り、丸まった。涙が絶えず溢れてくる。マミに申し訳が立たない・・・魔法少女になり、彼女と共に戦うと約束したというのに・・・自分は、魔法少女の世界に関わることを恐れている。
自分には、さやかほどに叶えたい願い事がない。得意な学科はなく、鈍臭く、取り得もない、それが嫌で仕方がないけれど、その憂鬱を払拭するために命を差し出すのは・・・嫌だ。自分を護ってくれる仲間がいると解かっていても・・・。踏ん切りが付けられない。それでも、また今日のように大切な誰かが傷付けられようとしたときは、恐怖も躊躇いも踏みにじって、鬱積したありったけの思いを力にして、魔法少女として参入出来たらと、自分に願った。
まどか「・・・ごめんなさい、マミさん、さやかちゃん・・・ほむらちゃん・・・」
今だけは、弱い自分を許してほしい・・・。いつか強くなって、みんなと肩を並べるから・・・。
――あなたは魔法少女になるべきではない――
まどか「!?」
まどかは被っていた布団を憤然とのけて、起き上がった。
まどか「だ・・・」
誰?と言いそうになった。しかし確信がある。きっと、あの人だ。
まどか「イグニス・・・さん?」
まどか「何処、何処に居るんですか、イグニスさん!?」
辺りを見渡しても誰も居ない。不審に思ったのだろう階下からまどかに何事かと訊ねた。まどかは慌てて取り繕い、無事を報告した。
まどか「・・・居ない・・・でも、確かに声が・・・」
虚ろな記憶。確かにその言葉の羅列が頭に浮かんだけれど、男の声だったか、女の声だったか、老人か子供かも解からない声調。幻覚と言ってしまえばそうなるのだが、この確信はなんなのだろう?
本当に不思議な人だ。突然現れたと思えばマミを救出してそのまま黙して消失する。かと思えば突然現れて自分を助けたのかと思えば剣を向け、さやかと喧嘩し、そうかと思えば彼女の特訓をして・・・そして、小さなまどか。ほむらはイグニスから預けられたといった。あの子はなんなのだろう?自分にそっくりだけれど、なんだか自分とは思えない。自分より幼いように思えるが、外見は自分より大人しく見える。
色々なことが一度に起きすぎている。そういえば、QBはどうしたのか。病院の魔女以来、会っていない。今頃、何処かで女の子に契約を迫っているのだろうか・・・。
頭がぐちゃぐちゃとして、眠気がさめてしまったまどかは、ベッドから降り、机に着いた。そしてノートを一つ棚から取り出す。それは以前にマミとさやかに見せた魔法少女案を書いたノートだ。開いて、新しいページにペンを走らせる。描くのは、黒コートの人相の見えない怪人と、それが操る黒光する大きな鍵、そして豪奢なドレスに身を包んだ小さなまどかだ。
<<前のレス[*]
|
次のレス[#]>>
179Res/275.34 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
板[3]
1-[1]
l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。
過去ログ - 王様「ハハッ」 ほむら「・・・は?」 -SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/kako/1306513096/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice