過去ログ - 王様「ハハッ」 ほむら「・・・は?」
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66:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/06/11(土) 10:40:53.10 ID:WCdJS5pT0
マドカ「・・・こんなこと言っても、信じてもらえるか解からないけど」

 小さなまどかは、泣きじゃくるまどかの背中に語る。

マドカ「数多の世界の因果が、此処に集約している
。幾つもの線が一定の距離を開けて平行線になっている情景を想像して。
それらが、不可抗力によって曲折され、この世界という一点で絡みあっているの。
だからきっと、今あなたの胸に宿している感情は、数多の世界の鹿目まどかが抱いた、
暁美ほむらという存在への好意。
今、あなたの中で氾濫しているほむらちゃんへの好意は、別の世界のあなたが抱いたものも含まれているの
・・・そういった特異の前例は、あったよね・・・この一ヶ月の始まりに見た、鮮明な別世界の記憶
・・・不安定だけれど、確実に、多くの世界が鹿目まどかという存在で束ねられていることの実証
・・・つまり、実際に魔法によって世界を束ねてきたほむらちゃんとは別に、
その原因であるあなたにもまた、余波が生じているのだと思う・・・」

まどか「――そんなの勝手だよ!!」

 まどかは顔をあげ、小さなまどかを睨みあげた。
これほど怒りに染まった自分の形相を、まどかは見たことがなかった。

まどか「・・・難しくてよくは解からないけど、うん、なんとなく解かった
・・・でも、そんなのってないよ・・・!
・・・――じゃぁ、わたしの好意はにせものだってことじゃない!」

マドカ「そんなわけじゃ!」

まどか「そういうことだよ!わたしじゃないわたしの記憶がわたしにはあるんでしょ?
ほむらちゃんを好きなのは、わたしじゃないわたしなんだよね!?
あんなに友達になりたいって思ったのも、傍に居てあげたいと思ったのも!
わたしの感情じゃないってことじゃない!!」

マドカ「違う!絶対に、絶対にそれは違う!!」

まどか「違わないよ!!」

マドカ「違う!!」

 互いに憤然とにらみ合う――不意に、まどかが瞳から涙を噴出して、俯いた。

まどか「――ずるいよ」

マドカ「――え?」

まどか「あなた、ずるいよ。わたしと同じ顔で、同じ名前なのに、わたしが知らないこと、
全部知っているみたい・・・ずるいよ」

マドカ「・・・」

まどか「ねぇ・・・どうすれば良いの?
これからもさ、こんな叶わない思い抱いて、わたし、生きなきゃいけないのかな・・・?」

マドカ「そんなことない・・・きっと、叶うよ・・・
ほむらちゃんを支えられるのはあなたという鹿目まどかだけ・・・」

まどか「うぇへへ・・・でもさ、ほむらちゃんがわたしに見ているのは、
沢山の世界の鹿目まどかなんだよね・・・?」

マドカ「・・・」

まどか「・・・受け止めきれないよ・・・わたし・・・救われないよ、誰も・・・」

まどか「いっそさぁ・・・わたし、全部忘れちゃったほうが良いのかな・・・?」

 まどかが浮かべる自暴自棄な笑みに、小さなまどかは戦慄して、窓を見た。
カーテンには、月光に切り抜かれたインキュベータのシルエットがあった。


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