過去ログ - 少年「安価を交えつつ敵討ちする」
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129: ◆Y706p.....[saga]
2011/06/19(日) 22:30:40.97 ID:NmE9UHCVo
「それに、こういう依頼にゃ緑の印が――」
シックスの言葉が、途切れた。
一瞬の間の後、彼の言葉は怪訝そうに続いた。
「――あれ、無い……?」
顔を近づけ、彼は依頼票を凝視する。
「……どうしたんだ?」
「あぁ……いや、な」
依頼票の右下を指さし、シックスは言った。
「冒険者登録してねぇと受けられねぇ依頼にゃ、ここに緑の印が有る筈なんだよ」
「へぇ。でも、これには無いな……」
「あぁ……こう、身元がはっきりした奴が欲しそうな依頼にゃ、絶対ある筈なんだけどさぁ」
確かに、半数近くの依頼票には、右下に緑の丸印が付けられている。
そして、この依頼票にはそれが無い。
こうなってくると、悪戯の線が濃厚になる。
「怪しいな……」
そもそも、この依頼票には「一日だけ、姫の護衛」という一文と報酬、
後は「詳細は受注カウンターにて」としか記されていない。
「姫」が何物なのかも、「一日」が一体いつなのかも明記されていないのだ。
「なぁなぁ」
不意に、シックスが言う。
「やっぱ10000Gは捨てられねぇ。詳細だけでも聞きに行こうぜ!」
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