過去ログ - 少年「安価を交えつつ敵討ちする」
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196: ◆Y706p.....[saga]
2011/07/10(日) 21:01:49.34 ID:yqZ5vCgOo
そうジュアンは言いながら、手帳を閉じてペンを置く。
「若国は元々「南老国」の領土だったのだが、黒の氣志團が目指すのは「南老回帰」。
南老に戻る事を望む、我が国の反体制勢力だ」
表情に嫌悪を滲ませ、彼女は続けた。
「……私に言わせれば、南老の技術と若国の資源――いいとこ取りをしたいだけの愚か者達だがな」
「愚か者……?」
「若国の領土は、南老に不当に搾取され続けた歴史を持つ。故に、大多数の者は独立を願い続けた。
直接的な軍事行動は皆無に等しいが、南老は今尚和平を結ぼうとはしない」
「国内のアンチ集団と隣の国――アンタらの国の治安が安定しないっつー理由はこういう事か」
「ああ」
足を組み、シックスが二度頷いた。
その傍ら、お国事情を一通り聞いたところで6は再度疑心を抱く。
「そんな情勢で王族の遠出、それも「魔物狩り」が許容されるものなのか……?」
「……それについては一旦置いておいて欲しい。それよりも一度、本題に戻るぞ」
はぐらかされた気もするが、確かに本題に戻りたい気持ちも解るし、
その過程で疑問点も解決されるかも知れない。
それに、「囮」というのはまだしも、「振り」というのも気になっている。
……結局、黙って頷く他無かった。
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