過去ログ - 少年「安価を交えつつ敵討ちする」
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36: ◆Y706p.....[saga]
2011/05/30(月) 21:07:13.51 ID:e3zxJ8Ulo
「……解った、一緒に行こう」
――揺れた天秤は、結局は同じ向きへと傾いた。
十分に修練を積んだつもりではあるが、それでも竜王相手に一対一で勝てるとは思えない。
理由は違えど目的が同じであるのならば、仲間は多い方がいい。
それに、外から来た彼は6の知らない情報を持っている可能性も高い。
竜王の事は勿論、世界の事、旅をする上の知識――。
……ただ、それらは理屈で考えればの話である。
「おっ、マジかっ? よかったー!」
嬉しいと言うよりも安心したといった感じの盗賊の声色。
その一方で、6の胸は早打つ。
「ただ、一つ言っておかなければいけない事がある」
育つ過程で向けられた様々な「目」が、6の脳裏を過ぎった。
自然と、声は震える。
「ん?何だよ」
「今は暗くて解らないだろうけど、その……少し、俺には異形な点があるんだ」
「え、そ、そうなのか?」
「とりあえず、直接見て貰った方が――」
「いや待ってくれ、心の準備をさせてくれ!」
ぎりりと、6の心臓が痛む。
やはり、彼も他の者と同じなのであろうか。
「だよな、異形の人間なんて気味が悪いもんな……」
「いっ、いや、そうじゃねぇんだ!」
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