過去ログ - 少年「安価を交えつつ敵討ちする」
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44: ◆Y706p.....[saga]
2011/05/30(月) 23:50:43.23 ID:e3zxJ8Ulo
「妹は修道院に、オレは働いていた病院に住み込み、両親は気付けば行方知れずさ」
「せめて、妹さんも同じ病院に――」
「病院にゃ金の無い奴なんざ入れてもらえないわな」
「ああ……」
「それに特別技術がある訳じゃねぇ、餓鬼に出来る事と言やぁ雑用ぐらいさ。
 多少知識はついたけどさぁ、それだけだ。治療が出来る訳でもねぇし」

そう言い切って、盗賊は指を組み筋を伸ばす。
打ち明けるのはここまで、といったところだろうか。

「すまない……」

自然と、6の口から謝罪の言葉がこぼれ落ちた。

「何でアンタが謝るんだよ……」
「いや、辛い事を話させてしまった気がして」

それに、と6は言葉を続けた。

「俺が「敵討ち」と言った時も、君が謝った」
「ああ、だったっけなぁ。でも、これオレが勝手に言い出しただけなんだがなー」

そう言って盗賊は笑う。
ある程度吹っ切れているのかも知れない、と思うと、6には少しそれが羨ましくなった。

「どうせなら金持ちから色々と奪ってやろうと思って盗賊になったんだけどさぁ
 ……ダメだー、オレにゃ向かねぇ」
「正面から向かって来るぐらいだからなあ……」
「その通りさ、全く」

盗賊が吐き出す、とても深い溜息。


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