過去ログ - 少年「安価を交えつつ敵討ちする」
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59: ◆Y706p.....[saga]
2011/06/03(金) 23:13:38.17 ID:A4zeWWgVo
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例えば、幼い頃に浮かび上がった疑問などは、解けぬままに沈みゆく事も多い。
例えば、幼い頃に抱いた「大切」という感情のベクトルなども、
理解出来ぬままに流れ去る事が非常に多い。
感情の矛先である者が居なくなっては、尚更の事である。
その道の大半が下りと言えど、6の暮らしていた村があまりの僻地であったが故に、
麓の街に辿り着いたのは翌日、丁度日が沈んだ頃合いであった。
それでも、これは僅かな仮眠の時間を除いて歩き続けた結果である。
シックスの所持品は必要最低限。6に至っては、金銭と剣の他には
下山までの食料ぐらいしか持ち合わせていないという有様であった。
従って、彼らには一刻も早く街に到着する必要があった。
街に踏み込む手前、6は足を止める。
「丁度良い時間帯だな……」
そう呟きつつ、彼は前髪で瞳を覆った。
「何してんだ?」
「ほら、瞳を見られてはまずいからな」
「ずっと思ってたんだけどさぁ、それ、帽子とか被って頭を覆えばいいんじゃねぇの?」
「駄目だ、それじゃあ普通に透ける」
「マジかよ……本当どうなってんだろうなぁ」
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