過去ログ - 少年「安価を交えつつ敵討ちする」
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68: ◆Y706p.....[saga]
2011/06/04(土) 02:13:43.06 ID:PQcsAUY9o
「量産品じゃねぇから明確な額はねぇと思うが、オレの調べたところでは
 25万Gってとこかねぇ」
「25万?!」

思わず、6の声が裏返る。
25万と言えば、一年は余裕で暮らせる額である。
シックスが「お宝」と言った理由も、今の6には理解出来た。

「だから欲しかったんだよ、ちくしょ……」

悔しがるシックスの傍ら、6は半ば呆然と呟いた。

「何で25万もの宝が回収されていなかったんだ……」
「何らかの力で封印されてた、とかじゃねぇの?」
「さぁ、滝壺に刺さってただけだしなあ」

それに、と6は言葉を続ける。

「……引き抜いたのは俺じゃないしな」

そう、引き抜いたのは幼馴染なのだ。
それを改めて認識し、果たして自身に所有者としての資格があるのか
無性に6は不安になった。


***


売っているものだな、と二人で言葉を漏らした。
そもそも、こんな田舎の街に頭部防具専門店があった事自体に驚いた。

真新しいゴーグルを装着し、嬉しそうに髪を掻き分ける6の傍らで
「1500G」とシックスが耳打ちする。6が少し、苦い顔をした。

シックスの持つ地図を頼りに、今度は鞄屋を目指す。
時は既に八時を過ぎている。丁度、個人商店が閉店し始める時間帯であった。

「しっかし、本当にこのゴーグルいいねぇ」
「防具兼用っつー事になってくると、やっぱり高かったけどなぁ」
「それはもう言わないでくれ……」

レンズの色は濃い為、視界は裸眼と同じという訳にはいかない。
しかし、髪で眼を覆っていた時よりはずっと良い。
恐怖さえ抱いていた風が、今はとても心地よかった。



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