12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/05/29(日) 13:18:52.14 ID:/Klnh+dQo
「なあ澪」
「何?」
観光地として有名な小島の駐輪場にスクーターを停めて、
まだ土産物屋も開いていない静かな路地を並んで歩く。
人慣れした様子の猫が足元をすり抜けて、建物の隙間に入り込んで行くのを目で追う。
「さっき、海だーって言っただろ」
「えっ……聞こえた?」
「いや、聞こえはしなかったんだけど、多分言っただろうなと思って」
「なんで分かったの?」
「私も初めてあの景色見たとき、海だーって叫んだから」
「……」
「言いたくなるよな?なんでかわかんないけど」
「うん、」
わかると応えて頷いたら、律は満足そうに口角を上げた。
小一時間ほど島内を歩いて、再びスクーターに跨がる。
海と線路に挟まれた直線道路を潮風に吹かれながらのんびりと走る。
寄せてくる波間にウェットスーツ姿のサーファーが点在しているのが見える。
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