過去ログ - 澪「タンデム」
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9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/05/29(日) 13:13:47.31 ID:/Klnh+dQo


休憩は早々に切り上げて、片側2車線の左側を法定速度で走る。
遠い県名が記されたナンバーのトラックが轟音を立てて追い抜いて行くたびに、
ふたりを乗せた小さな車体が風にあおられて揺れる。

ミラーには少し緊張気味の律の顔が映り込んでいる。
グリップを握り直す彼女の手につられて、ジャケットを掴む手に力が入る。

そんな調子で何十キロか走り続けて、大きな交差点の前でスクーターが減速した。
ウインカーを光らせてゆっくりと左に折れる。
追い抜くトラックどころか、前後にほとんど車もいないゆるやかな片側1車線。
見上げた空に星が増えていて、都心を離れたんだなあと実感する。

シールドの下から入り込んでくる風はまだひんやりとしているものの、
厚着をしているお陰で寒さはほとんど感じない。

道の先に、煌煌と灯るコンビニの看板が見えた。
律の背中をぽんぽんと叩いてから、左手を伸ばして看板を指差す。
私の指先を追うように看板を目視して、律は左手でOKマークを作った。


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