487:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/02/28(木) 00:13:06.40 ID:TtiL6PxAO
しかし、ふと気になった。
実際にすずかに自分と金融街に関することを伝えたら、彼女は一体どういう反応をするのだろうか?
「シグナムさんとかご家族の皆さんも結構忙しいんだよね?」
「んー……まぁみんなはみんなで色々となぁ」
シグナム達家族に闇の書のことや魔法のことを伝えても恐らくすずかは、少し驚いた後に笑顔でそれを受け入れてくれるだろう。
確証は無いが、以前からはやてはそう思っていた。
しかしもう一つの秘密、金融街のことはどうだろうか?
―――……流石のすずかちゃんも、受け入れはせえへんやろなー
そう思いながら、楽しげに話すすずかの顔を見つめた。
「ヴィータちゃんはゲートボールやってるんだよね、今度教えてもらおうかな」
「あはは、ヴィータ喜ぶよ」
「ほんと?」
わけのわからない、魔法のようなロマンは欠片も無い異空間で大勢の人々と、未来、人生、お金を賭けて週一で戦っている。
魔法とは違って、金融街に関しては物的証拠は何も無いから立証は出来ない。
だが、仮にそんなことを言ったら、すずかは信じてくれるかもしれない。
―――でも心配して、私のこと止めるんやろうな
それに自分の富豪という立場に対しても、後ろめたさや何かを感じそうだ。
とにかくよからぬ反応を示すことは確かだろう。
―――やめよ。こんなこと考えてたって何の意味もないし
自分はすずかに何を求めたいのだろうか?
何より金融街に首を突っ込んだのは、不可抗力と言えど自分自身なのだ。
ただでさえ負ければ金融街と関係の無いシグナム達が巻き込まれてしまうのに、すずかなんて無関係もいいところだろう。
いやいや、とその思考を振り払っていると不意にすずかが「どうかした?」と聞いてきた。
「え、何が?」
「なんかはやてちゃん、溜め息吐いてたから」
「えっ?あはは、いやー紅茶熱いなって思って」
―――溜め息なんていつの間に……
しまった、と思いながらはやては笑って誤魔化した。
前の騎士達との一件以降、思考や考え事をストレートに外部に表さないよう気を付けていたつもりだったのだが。
すずかを相手に話している内に自然と気持ちが緩んでしまったらしい。
―――気を付けんと
そう思いながら頬を撫でる。
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