過去ログ - はやて「みだす…銀行?」
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489:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/02/28(木) 00:19:52.36 ID:TtiL6PxAO
「……本当やな。漠然としてて、よう分からん」

ふと、竹田崎や真坂木に意味の分からない説明を一方的に受けたときの苛立ちを思い出し、はやてはぶっきらぼうに言って紅茶をすすった。

そのはやての様子を見て何を感じ取ったのか、すずかは眉を潜めて真剣な表情を形作る。

「明日も明後日も、もっと言うなら一秒先も一時間先も未来だよね。
未来……いずれ来るけど先が見えないもの、かなぁ」

「先が見えないもの……」と、はやては口に出して繰り返した。

「でもその一言で説明できた気もしないし……本当に難しいね、未来って」

そう言ってすずかは困ったように笑った。

「でもどうしてそんなこと聞いたの?」

聞かれて、はやては言葉が詰まった。

「……うーん、なんでやろ」

どうしてそんな言葉が突然漏れたのか。


考えると今まで実体の無い、妙な安心感に包まれて生きてきた。
しかし金融街に入ってから、安心感は実体の無いものとして消え去り、代わりに現れたのは、一寸先の見通しさえつかない未来に対する不安。

未来。
希望を含んだ言葉として世間では使われている。
すずかの言った『いずれ来るもの』。

かつてのはやてにとっても、未来というめのはそんな希望のある、明るい印象を持ったものだった。

だが今、はやての目の前にある未来は、希望も絶望も分からない未知そのもの。

―――未知……そうやな

そこで、自分がすずかに質問した理由が、なんとなく分かった気がした。

「……私だけやない」

「え?」

「私にもすずかちゃんにも、沢山の人にとって、未来って実はよう分からんものやから……かな」






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