497:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 08:48:44.37 ID:8NRlqMDAO
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はやてが検査を受けている間、シャマルは廊下のソファに静かに座って待っていた。
その傍らで、同伴したヴィータが険しい表情をしてせわしなく歩き回っている。
「ヴィータ、落ち着いて」
シャマルは周りの目を気にしながら呼び掛けた。
小さな子供の姿をしているとは言え、赤髪、外国人の子供はただでさえ目立つ。
その上、今の険悪な表情は他人から見て気分のいいものでは無いだろう。
通り過ぎていく看護士達や患者達の奇異の目が痛かった。
言われてヴィータは立ち止まり、鋭い視線をシャマルに向けた。
眉間には皺が寄っている。
「だって、こうしている内にも蒐集しないと、はやての身体は……」
「焦る気持ちも分かるけど、仕方ないわ。
せめて座って、ね?ここは病院なんだから」
とりあえず落ち着いて、とシャマルはヴィータに促す。
ヴィータは不服そうに歯ぎしりをしてから、乱暴にソファに腰掛けた。
しかし座ったら座ったで今度は、足を揺すり始める始末だ。
シャマルは思わず溜め息を漏らした。
シグナムと言い、ヴィータと言い、闇の書の不具合が酷くなるに連れて騎士達の焦燥感はどんどん強くなっている。
それはシャマルも同じだが、二人程表立って激情を現すことはない。
二人にはもう少し落ち着いて動いてほしい。
それが四人の参謀役を務めるシャマルの思いだった。
最近は闇の書の不具合の進行もある程度は緩やかになっているものの、それでもリンカーコアを蒐集する速度は確実に遅くなっている。
そして不具合の原因は未だ全く分からず、その上に時空管理局まで本格的に動き出す始末だ。
騎士達の願いとは逆に、事態は更にややこしい方向へと転がっていた。
ヴィータとシャマルがはやての通院に付き合う傍らで、現在はシグナムとザフィーラがリンカーコアの蒐集に赴いている。
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