過去ログ - 鈴「あっづー……」セシリア「な、何ですのコレは……」
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726:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[sage saga]
2011/08/19(金) 00:02:38.08 ID:Zxz67M/S0


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「あ、あの……一夏さん?」

 セシリアをいわゆるお姫様抱っこした体勢のまま、白式のメンテナンスを行う整備科の面々の前でじっと立っている一夏に、整備科の面々もどうしたものかと顔を見合わせている。その中にはイギリスからの留学生の姿も見え、ブルー・ティアーズ担当の先輩方もいることに気付いたセシリアが、少し名残惜しさを感じながらも、公衆の面前での大告白をやってのけた、想い人……今となっては、想い人というよりは「彼氏」の顔を覗き込みつつ声をかける。とりあえず降ろしてもらって愛機を預けなければブリーフィングに向かうこともできない。

「ああ、大丈夫だ」

 少し離れたところでは、中国語の怒号が飛び交っていた。キャノンボール・ファスト専用パッケージともいえる「風」パッケージを強制パージなんかしたのだから、鈴がきっと上級生に大層怒られているのだろう。

「……え、あの、一夏さん?」

「大丈夫だ、誰が何と言おうと、俺はセシリアを……」

 ぐっとセシリアの背を支える腕に力がこもる。僅かに頬を染めた一夏の顔が近づき、少し熱っぽいような眼差しで瞳を見つめられると、セシリアも一瞬呆けたようにじっと見つめ返してしまう。

「ん”っん−!」

 イギリスの整備科上級生の咳払いではっとセシリアは持ち直したけれど、一夏は未だに二人の世界から帰ってきていない。そもそも今まで一夏は想われる側にずっといた。しかも自覚症状がない状態でだ。それが、惹かれつつあった状態からイギリスでの短くも濃密なハプニングの連続で、一気に気持ちが高まった状態となり、帰りの機中で、死地に飛び立つセシリアから受けた「おまじない」が先程の一夏の行動に結びついたわけで。

「いえ、そーではなくて……っ!?」

 告白するというのは。膨大なエネルギーを生む。好きという気持ちを抱え込むことは言ってしまえばだれにでもできる。それを相手一人に伝えるだけでも結構大変な労力を必要とする。傷つけてしまうかもしれない、自分が傷つくかもしれない、それでも想いを伝える、言葉にする。ただでさえそんな経験がなかった一夏にそこまでさせたエネルギーはすさまじく、そんな簡単に覚めるわけがない。

「セシリア……好きだ……」

「え、ええっ!?ちょっと、い、一夏さん!?そんな場合では……お、およしに……」

 ぐぐとセシリアをさらに引き寄せ、唇を交わそうとする。セシリアも抵抗を試みるように手で一夏の胸元を押して、顔を近づけさせまいとするけれど、ISスーツ越しの一夏の胸板に触れているという感触に自然と力が緩んでしまい、そして二人の顔と顔が近づいて……





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