22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)
2011/06/04(土) 22:08:52.43 ID:qXmPl3eAO
「どこも似たようなもんだ。安定を求めてるなら公務員でもやれよ、まあ公務員に成れるとは思わないけど」
「社長さんの所も?」
彼の会社に社員は十人、彼を含めて働いている。その内、起業に関わったのは三人で残りは中途採用ばかりの人間だという。
因みに全員が高卒。それで三期黒字計上だと言うから面白い。
「いや、仕事が終わったら皆は定時に帰るよ。それでも自分から仕事を見つけて残業する奴らばかりだけれど」
「立派だなあ。どうしてそんなに頑張れるか訊いてみたいよ」
「夢を追う会社だからな、働く理由があるのさ」
「夢、ね。お前の夢は相変わらずか?」
初めて彼の夢を訊いたのは、小学生の頃だったろうか。目指す姿こそ変わっているが、内容はぶれていない。
「ああ、ヒーローに成りたい」
何度訊いても僕がむず痒くなるような台詞を、彼は恥ずかしげもなく言い放つ。
中学生までだろう。夢を尋ねられ『ヒーローに成りたい』などと言えるのは。それを二十代後半のスーツを着た男が言うなよ。
一応、彼の名誉に関わる発言だと思うので誤解の内容に説明しておこう。決してアニメや漫画の主人公を目指している訳ではない。
最近は大企業の社長が小型のモビルスーツみたいなのを開発し、着用して悪を倒すハリウッド映画もあるけれど、そちらでもない。
まあ、やたらと芝居がかった語りはするが。
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