128: ◆5yGS6snSLSFg[sage]
2011/06/07(火) 03:10:52.61 ID:kUN63PsFo
「はっはっは。これは余裕だな!」
なんせあやせ宅にお邪魔すれば半分は自動で安価達成だからな!
問題はどうやってあやせの方にも手錠をかけるかということだけ。
なぜかPCのモニタがぼやけて見えないが、早速実行に移すぜ!
ピンポーン
今回はなんとなくアポを取らずにやってきてみた。
あやせが出掛けている可能性もなきにしもあらずだが、家を出る前に確認した所桐乃は家にいた。
桐乃と出掛けている線が消えたことから思い切って直接押しかけてみたというわけだ。
当然ながら家にあげてもらうための策も用意してある。
『はい、どちらさ――うわっ、お兄さん?』
「……今、『うわっ』って言ったな?」
もう泣いてもいいですか? そろそろ俺も限界だよ? 色々と。
『何しに来たんですか?』
「今朝、加奈子の奴の連絡先教えてもらったろ? そのお礼というほどでもないんだが、ケーキ持ってきたんだ。よかったらご家族で食べてくれ」
『……変な物入ってたりしませんよね?』
「入ってねえよ! 正真正銘のお店のケーキだから大丈夫だ」
しばらくして玄関が開き、いつも通り、お洒落な恰好をしたあやせが顔を出した。
「こんにちは、お兄さん」
「よう……ん、これお土産な」
「ありがとうございます。って言うかあれくらいでこんな気を遣わなくてもよかったんですよ?」
「いいんだいいんだ、気にしないでくれ。俺としても助かったんだよ。だから、これはその気持ちだ」
あやせはしばらくケーキの箱と俺との間で視線を行ったり来たりさせていたが、やがて意を決したように大きく息を吸い、こう切り出した。
「せっかくですから、お茶でも飲んでいきませんか? 頂くばっかりでは悪いですから」
「えっ? いいのか?」
「ええ。すっごく不本意ですけど、仕方ありません」
「……オブラートって言葉知ってるか?」
何はともあれ、作戦は成功だ。ちょっぴり想定外の精神的ダメージも受けたがこの程度なら問題ない。
マイラブリーエンジェルあやせたんのことだから、ケーキでも買っていけば『そのまま帰すのも悪い』と考えて家に寄って行かないかと提案してくれると思ってたぜ。
「お待たせしました」
あやせの部屋に通された俺は、案の定、ベッドに手錠で繋がれあやせが紅茶を運んできてくれるのを大人しく待っていた。
そう――今はまだ雌伏の時。ただひたすらに息をひそめ、チャンスを窺うのだ。
「じゃあ、手錠をベッドからもう片方の手に移しましょうか」
来た。考えられうる中で最高のチャンスが。
これを逃しては安価の達成は一気に難しくなるだろう。
「今だ!」
「えっ!?」
あやせが手錠の鍵を開けたタイミングを見計らい、俺はバッと手を伸ばしあやせから手錠の鍵を奪い取った。
遅れを取ったあやせが身構える前に、素早く次の行動を起こす。
あやせの腕をひっつかみ、その白く美しい手に、銀色に鈍く光る手錠をガチャリと嵌めたのだった。
この間、わずか2秒の早業だ。
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