153: ◆5yGS6snSLSFg[saga]
2011/06/07(火) 16:23:45.61 ID:kUN63PsFo
「とんでもねえ地雷きたああああああ!」
なにこれ! 一歩間違えたら家庭崩壊の危機なんだけど!?
「く、くそう。安易に安価に頼った俺がいけなかったのか」
直前のあやせ安価が思ったより上手くいったもんだからついつい安価の力を過信しすぎちまってたのかもな。
だが、一度出した安価は守らねばならない。
俺は大きく深呼吸をして桐乃の部屋へと足を踏み出した。
「すまん。待たせたな」
「遅すぎ。あたし早く寝たいんですケド?」
……ほんとにすまん。
「で、なんであたしの……パ、パンツが必要なわけ?」
「ああ。実はな――」
桐乃が、ごくり、と息をのんだのがわかった。
「すまん桐乃。俺、もう『この気持ち』を押さえられそうにないんだ。だけど、このままじゃお前を傷つけちまう。そんなのは俺もいやだ。でも、お前のパンツさえあれば、俺はきっと我慢できると思う。だからお前のパンツをくれないか? 俺のためにも、お前のためにも!」
言った……言ってやったぞ! もう後戻りはできない!
まさか本当にここまで“後は野となれ山となれ”状態になるなんて。
「あ、ああああ……あああ」
「あ?」
あまりの事態に呂律がまわらない桐乃。
「あんた、自分で何言ってるかわかってんの!? っていうか本気!?」
「当然だ! 誰がこんなアホな冗談を言うんだ!」
「で、でも……よ、よりにもよってパンツって、頭おかしいって!」
「それはおまえがやらせたエロゲの影響だと思う」
実は安価なんだけど、突拍子のない展開があるという意味ではそんなに違いはないと思う。
「うっ……」
言葉に詰まる桐乃。
どうやら自分の趣味がアブノーマルなのを忘れていなかったようだ。
「そうとも! 俺がこんな変態になっちまったのは……桐乃! おまえのせいでもあるんだ!」
「はあ? あんたが変態なのは元からでしょ! 勝ってにあたしのせいにしないでってば!」
「それは違う! いいか? よく考えてみろ」
妹ものの強制的にエロゲをやらされる日々。
そして、それを強制する妹様本人は二次元に負けず劣らずかわいいときたもんだ。
「これでは妹への気持ちを抑えられなくなることはもはや必然である! つまり俺にエロゲを強制したお前が悪い! 俺をシスコンを超えた変態へと変貌させた責任はとってもらうぞ!」
無茶苦茶な言い分だった。
でも無茶苦茶でこそあれ、破綻はしてはいないはずだ。後はこれを桐乃が信じてくれるかどうかにかかっている。
「で、でも……あたしたち兄妹なんだよ?」
心が揺れているせいか、桐乃の言動にいつもの覇気がない。
発する言葉は弱々しく、まるで誰かに許しを求めているようだった。
「それがどうした! 前にも言ったろ! 俺はおまえが大好きだと!」
あやせとの仲を取り持った時を思い出す。
あの時、俺は桐乃を全力で抱きしめながらそう叫んだ。
考えてみればあの時から俺はおかしな方向へスライドしていったのかもしれない。
実の所こうやって自分の気持ちを熱弁している今、これが安価によるものなのか、それともただ本音を垂れ流しているだけなのかわからなくなるときがある。
「だから! 俺に……俺におまえのパンツをくれええええ!」
最後に俺は全力でそう叫んだ。
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