200: ◆5yGS6snSLSFg[saga]
2011/06/07(火) 20:09:41.94 ID:kUN63PsFo
着替えを終え、顔を冷やしながらあやせの説教を正座で聞く俺。
この程度で済んでいるのは、俺が着替えをしている間麻奈実があやせをなだめてくれていたからだ。
麻奈実がいなかったら俺は今頃死んでいたかもしれない。いや、割とマジで。
「桐乃に手を出したらどうなるかあれほど言いましたよね!」
「ま、待て! 桐乃には手を出してねえよ!」
「同じことです! きょ、兄妹でのいかがわしいビデオだなんて!」
「いや、あれは兄妹っていう設定なだけでほんとの兄妹じゃないぞ?」
「そんなことどうでもいいです!」
もはや俺の言葉など聞く耳もたずである。
「あ、あやせちゃん。もう許してあげよ?」
「お姉さんはいいんですか!? お兄さんがこんな変態で!」
俺の言い訳が失敗したと見るや、すかさずフォローを入れてくれる麻奈実さんまじ天使。
「ほ、ほら。きょうちゃんも男の子だし……」
「だからといって、よりにもよって兄妹でだなんて、ありえないです!」
「そ、それは……」
頑張れ麻奈実! 俺の命はおまえの説得の成否にかかっている!
「それは仕方ないんだよ。あやせちゃん」
「えっ?」
「きょうちゃんはね。妹でしかよくじょ〜しない変態さんなんだって。だから仕方ないって割り切ってあげて?」
「麻奈実いい! 今おまえは最低の方向へ向かって説得を開始したぞ!?」
「あっ、そっか。……もちろん、ほんとの妹の桐乃ちゃんは大事にしてあげてるはずだからだいじょうぶだよ?」
違う! そっかじゃない! 何もわかってないよ麻奈実さん!
そしてこの場合その台詞は意味合いが変わってきちゃうから駄目だって!
あやせの雷が落ちるのを覚悟した俺だったが、いつまでたっても雷は落ちてこなかった。
恐る恐る目を開けてみると――
「……お姉さんはなんでそんなにお兄さんを信じられるんですか?」
なぜか突拍子もない質問をするあやせ。
「えっ? う〜ん」
頼むぜ麻奈実。ここが正念場だと思うんだ。
「……きょうちゃんだからかな」
わ、わけがわからん。
これはもう駄目かもわからんね。我が生涯は悔いだらけだ。
だが、意外なことに――
「……そうですか」
あやせの反応は悪くなかった。
今のどこに納得する要素があったんだ? さっぱりわからん。
「今日はお姉さんに免じて許してあげます」
「お、おう」
「ですが! 次こんな真似をしたら今度は許しませんからね!」
「……はい。申し訳ありませんでした」
一応のお許しは出たものの、これからしばらくの間あやせの説教は続いたのだった。
がみがみとあやせに怒られる俺を、微笑ましそうに見ている麻奈実が印象的だった。
夏休み、四日目。昼パート 安価成功
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