過去ログ - 京介「妹たちに安価で悪戯する」
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313: ◆5yGS6snSLSFg[saga]
2011/06/09(木) 18:54:44.95 ID:3UvAt0k/o
身近? 生き遅れ?
確かにこの条件に合致する人がいないこともないが……。

「フェイトさんか……あの人、今なにしてるんだろ」

一応連絡先は知ってるし、連絡とるだけとってみるか。俺としては元気に働いてて欲しいんだけどな。



「あ、フェイトさんですか? 俺です。高坂京介ですけど」
『ああ、京介君か。どうしたんだい?』

話し方から察するに、どうやら元気は元気みたいだ。
幸い、餓死寸前ということにはなっていないらしい。

「いやあ、特に用があるわけじゃないんですけど。今から会えねーかなって。あ、もちろん忙しいならいいんで――」
『ひまひま! ちょうひま! 実はこの前家のネット止められちゃってね、どうやって暇潰そうかと思ってたの!』

駄目だこの人、早くなんとかしないと。

『いやーちょうどよかったわ。私も誰かに愚痴りたい気分だったし』
「私もってなんですか。俺はそういう用件じゃありませんよ」
『あら、そうなの? てっきり妹さんと黒猫さんに振り回されるのに疲れたっていう話かと思ったのに』
「すんません。やっぱり当たってました」

この人、駄目な人物であることは疑いようがないんだけど、結構核心をつくから困る。
桐乃もこのあたりの才能を感じとって、妹空の編集の手伝いを頼んだんだろうな。

『じゃあ、この前のファミレスでね』

あ、この人たかる気だ。



「私が何をしたって言うのよおお!」
「フェ、フェイトさん! 声が大きいですって」

現れたフェイトさんは何故か既に酔っぱらっていた。
前々から駄目だ駄目だと思っていたが、どうやら俺の想像以上に駄目な人だったようだ。
ファミレスの客の視線が俺に集まる。
パッと見、年上の女性を弄んだあげくポイ捨てする最低な野郎にしか見えない。

「ちょっと場所を移しません? ここじゃ色々とまずいっす」
「あらあ。酔ったお姉さんを連れてどこ行くつもり〜?」

色っぽい笑みを浮かべるフェイトさんだが、この人の駄目っぷりを知っているのでそれほどの動揺はない。
まあ、眼鏡でもかけてれば話は別だったけどな。



フェイトさんを連れて近所の公園にやってきた俺は、ひとまずフェイトさんをひベンチに腰掛けさせ、酔いが醒めるのを待った。

「ご、ごめんなさいね。私って嫌なことがあると酒で忘れようとする癖があって……」
「だからっていくらなんでも昼間っから飲むのは……」
「返す言葉もないわ」

しょぼんと項垂れるフェイトさん。この人のこんな一面を見るのは初めてかもしれない。
今まで落ち込むことは何度か見たが、ここまで本格的に反省を伴った落ち込みはなかったように思う。


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