32: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga]
2011/06/04(土) 15:27:40.54 ID:QB0KEUsGo
「ぎりぎり……セーフ…………か?」
最高に犯罪臭いが、やってること自体は犯罪じゃない。
「……いける!」 いけるぞ!」
これまでの無謀な安価のせいで、すでに価値観が崩壊しかけているがこの際無視しよう。
ピンポーン
再び黒猫宅を訪れる。
『はい、どちらさま?』
「よう、俺だ。こうさ――」
ブツッ
最後まで聞くことなく切れる通話。
「お、おい!? いきなり切るんじゃない!」
再びチャイムを鳴らし、黒猫がとりあってくれるのを待つ。
『………………何かしら』
すっげぇ嫌そうな声だ。
まぁ、それも当然の反応だよな。いきなり尻揉まれりゃ誰だってそうなるよ。
くそう……俺がこつこつと築いてきた先輩像が…………。
だが、今はそんなことも言っていられない。
「日向ちゃんいるか?」
『…………今度はあの子に手を出すつもり?』
「ちげえよ! お前は俺をなんだと思ってるんだ!?」
『真正の変態よ』
……反論できない自分が悲しい。
違うんだ。あれは俺の本意じゃなくて……
なんて言い訳はもはや通らないのはわかっていてもついついそう思ってしまう。
『で? あの子に何の用?』
「ちょっと話があってな」
『どうせろくでもないことを企んでいるのでしょう?』
「いや、ちょっと勉強を見てやろうと思ってな」
『結構よ。間に合っているから』
ぐぬぬ。これはどうしたものか。取りつく島すら見当たらないぞ。
手詰まりかと思われたその瞬間、俺に救いの手が差し伸べられた。
「あーっ、やっぱり高坂君だー!」
『!?』
玄関を見ると、そこには日向ちゃんが顔を出していた。
どうやら黒猫と俺のインターホン越しの会話を聞いて表の様子を確かめに来たようだった。
これぞ、天啓というもの!
「すまん黒猫! ちょっと日向ちゃん借りてくぞ!」
インターホンに向かってそう叫ぶと、日向ちゃんを抱きかかえ一目散に走り去る。
まるっきり誘拐犯そのものの挙動だった。
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