過去ログ - 京介「妹たちに安価で悪戯する」
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93: ◆5yGS6snSLSFg[sage]
2011/06/05(日) 21:58:18.49 ID:rzU0xYe0o
「『京介として口説く』か」

安価だしといてなんだけど、こっちのが難しいよなぁ。
あいつの中では俺なんて、路傍の石みたい存在だし。
だが、今さら悔やんでも仕方がない。一度決まったら後は突き進むのみ!

「何はともあれ、まずは連絡先を入手しないとな」

考えられる方法は二つ。
桐乃に聞くか、あやせに聞くかだ。

「桐乃に聞いても無駄だろうな」

あいつのことだからきっと――

『はあ? 加奈子に何するつもりなの? って言うかあたしの友達に手だしたら[ピーーー]って言わなかったっけ?』

こうだな。
かと言ってあやせに聞いても――

『桐乃の次は加奈子ですか? お兄さんってシスコンだけじゃなくてロリコンでもあったんですね。死んでください』

こうだ。
正攻法で望みがない以上からめ手を使うしかない。
と言ってもそんな難しい物じゃないけどな。
要は、あやせが納得できるだけの、もっとらしい理由があればいいわけだ。

携帯電話を取り出し、あやせの番号を呼び出す。
以前のマネージャー業の真似事のご褒美として着拒は解除してもらってある。まさか、あれがこんな風に役立つなんてな。

「もしもし、あやせか?」
『どうしたんですか? 軽々しく電話されると迷惑なんですけど』
「俺があやせに対して軽々しく電話したことは一度もないぞ。俺はいつだって――」
『はいはい。お得意の嘘はいいですから、用件を言ってください』

うーん、嘘じゃないんだけどなあ。

「実は加奈子の連絡先を教えて欲しいんだ」
『加奈子の……ですか?』
「ああ」
『桐乃の次は加奈子ですか? お兄さんってシスコンだけ――』
「待て、俺はロリコンじゃない。実はマネージャーとしてあいつにちょっと用があるんだよ」
『……今の所マネージャーの仕事はありませんよ?』
「アフターサービスってやつだよ」
『お兄さんの言うことっていまいち信用できないんですよね。アフターサービスって何をするつもりなんです?』

ひどい言われようだな。
まあ、あやせには近親相姦上等の変態鬼畜兄貴と思われているのでこれくらい当然かもしれないが。

「それは秘密だ。あいつとの約束なんだよ」
『加奈子との?』
「ああ。前回のマネージャーの真似事やった時にこっそりと頼まれごとされてな。それがようやく片付いたんで報告したいんだ。あ、もちろんその内容については聞かないでやってくれ」
『……それ、ほんとですか?』
「あ、ああ。もちろんほんとだぞ」
『まあ、いいです。でも加奈子に何かあったら……』
「……肝に銘じておきます」

こうして俺は加奈子の電話番号を入手した。
この後加奈子を口説くわけだが、展開によってはあやせからの天誅が下るな。

「俺、まだ死にたくないんだけどなあ」

こう言っちゃ面白みに欠けるのかも知れないが、俺としては無難な展開になることを祈るばかりだ。


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