989: ◆5yGS6snSLSFg[saga]
2011/06/17(金) 21:46:02.72 ID:yKWMl+Odo
「……いた」
やたらとスタイルのいい女の子二人組。
一人は茶髪、もう一人は黒髪。二人とも長髪である。
俺があやせたんを見間違えるはずがない。あいつらは桐乃とあやせだ。
「麻奈実。すまんがちょっと走るぞ」
「うん。でも、どうしたのきょうちゃん? みっきーでも見つけたの?」
おしいな。俺が見つけたのはもっといいものだ。
先回りした俺と麻奈実は、あいつらが進むと思われるルートを横切るように歩き出す。
こうやってあいつらの視界に入れば無事安価達成というわけだ。
「あーっ!?」
来たか!
「あやせ、あれ見て! ミッキーがいる!」
「ほんとだ、行ってみようよ桐乃」
俺達の手前数十メートルで直角に右折していく二人。
ミ、ミッキーの野郎……。なんでそんなところをうろついてるんだ!
……まあいい。桐乃とあやせは見つかったんだ。焦らずいくさ。
「あんなところにミニーが!」
「あっ今度はドナルドだよ」
「グーフィ(ry」
「チッ(ry」
だあああああ! 何なんだよこの偶然の重なり方!
もはや誰かが裏で糸を引いてるレベルだろ! 何で毎回毎回目撃される直前で直角に曲がっていくんだあいつらは!
そして俺に付き合わされる麻奈実はと言えば、
「あっちへ行ったりこっちへ行ったり、きょうちゃん思ったより楽しんでるね〜」
「……おう。そうだな」
やたらとご機嫌だ。
特に乗り物に乗るでもなくただ走り回る、という俺の謎の行動をどこをどう解釈したらそうなるのか不思議でならない。
……もう目撃されるのは諦めようかな。
「あーっ!?」
はいはい、今度はデールでも見つけたか?
「あんたそこで何してんの!?」
「お、お兄さんにお姉さん!?」
「桐乃ちゃんとあやせちゃん!?」
「なんで諦めようとした途端見つけるんだよ!」
一人だけ驚くポイントが違う俺。
「あんたそこで何してんの!?」
だが、そんなことには欠片も構わず、先ほどと全く同じ質問をする桐乃。
「何って……デートだけど?」
「でっ……地味子と!?」
「地味子って言うな。……そうだよ。悪いか?」
「あんた何考えてんの!? 旅行先にまで妹をつけてくるとか正気!?」
「誰もおまえの後をつけて来たわけじゃねえよ!」
ぎゃあぎゃあと往来のど真ん中で言い合いを始める俺と桐乃。
「ちょっとあやせもなんとか――」
「お姉さんも来てたんなら言ってくれたら教えてくださいよ〜」
「ごめんね〜。私もあやせちゃんたちが来てると思わなくって」
……すげえ意気投合してる。
そういえば麻奈実とあやせって仲良かったんだったな。
「そうだ! これからは一緒にまわりませんか?」
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