過去ログ - ほむら「幸せになりたい」
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14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage saga]
2011/06/05(日) 23:13:25.42 ID:Svq2uLgno

潜り込んだ基地の中を、私は一人歩く。
武器と弾薬、即ち拳銃やライフルにその弾丸、そして地雷を始めとする爆弾の数々を求めて。
だがふと、これら軍の備品を盗んでいることに対して罪悪感が湧いて降りる。

「終わったら、ちゃんと返します」

この基地で働く人たちにも、彼らなりの幸せがあるのだろう。
毎回のように繰り返すこの盗難で、彼らがどれだけ振り回されているだろうか。
どれだけの苦労をしているのだろうか。
返すなんて行為は私の自己満足でしかない。放った弾も元には戻らない。
それでも私がこの道を進む限り、この道を避けて通ることはきっとできない。

時を止めた空間の中、静止して動かない人たちの間をすり抜けて武器庫へと進む。
そこにいる人たちは、笑って、怒って、居眠りをして、みんなめいめいの表情をしている。
真剣に生きている。

「自分の幸せのために他人を踏みつける私を、どうか許してください。
 私もあなたたちのように、真剣に生きようとしているだけなんです」

誰にも聞こえないことは分かっているけれども、私の口は勝手に動いた。
そして目的地へと辿り着く。
ワルプルギスの夜に重火器を用いても仕方ないことは、もう理解しているから。
必要最低限の銃器を盾に収め、その場を後にした。


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