186: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/19(日) 17:02:25.39 ID:hAzv6ppPo
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全身を苛むのは、焦燥。
根拠はない。
ただ目の前の魔物が、どこまでも邪魔臭い。
「とっとと眠りやがれ!」
佐倉杏子の投擲した槍が、魔物の正中線を貫く。
そのまま結界ごと消失し、グリーフシードを遺した。
「ほい、一丁上がり」
「お疲れ様、佐倉さん」
「大したことねえよ。 ただこの量、なんか引っかかるね」
「……いつもより、多いよね……」
「逆に言えば、魔物が発生する法則を発見できるチャンスとも見られるんじゃないのかい?」
「なるほど、そういう見方もあるのね」
「検証の余地はある。 今日の魔女を片付けたら考えてみましょう」
「あ、今日は強いのが出る日か」
「まだ時間に余裕はあるのかしら?」
「大丈夫だけれど、出来るだけ早く行きましょう」
何故かは分からないけれど、私の心は体を急かす。
早く行け、早く行けと。
その衝動に身を任せたい。
しかしそれは叶わない。
「…………こうやってまた、魔物が沸くからな」
「さっさと片付けるわよ」
明らかに異様。
ただ今は目の前の状況に専念する。
誰かを見捨てる選択肢は、取りたくないから。
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