188: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/19(日) 17:03:46.65 ID:hAzv6ppPo
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「しつこい……!」
本当に今日は異常だった。
焦れば焦るほど魔物への対応は雑になり、結果として余分に時間を割いてしまう。
武器の無駄遣いも時間停止の濫用も出来ない以上、本来なら丁寧に狩らなくてはならないのに。
どんどん悪循環にハマっていく。
「暁美さん、どうかしたの」
「何のこと」
「貴女らしくないわよ、焦りすぎだわ」
「……嫌な予感がする、とても」
戦いの最中、背中合わせに巴マミから疑問を受ける。
そこまで表に出てしまっていたのか。
隠しても仕方ない以上、素直に打ち明けた。
「時間は!?」
「もうない!!」
対岸から、叫ぶ声は杏子。
念話で返す余裕もなく、声を張り上げて答える。
本来なら既に、郊外にある倉庫へ着いていなければならない時間になってしまっていた。
少し考え込むような間の後に、再び返答。
「先に行け! あたしも何か嫌な予感がする!」
「この場は引き受けるわ。 まだ沸きそうだけど、時間さえ掛ければそう危険はないでしょう」
「…………任せる!」
そう言い残し、結界から一人離脱し。
空を駆ける。
能力を最大限に使いながら。
何が私を駆り立てるのかはよく分からないけど。
ただその何かに間に合うことを祈りながら。
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