190: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/19(日) 17:05:16.57 ID:hAzv6ppPo
脇腹を貫く異物に手をかける。
それだけの動作で、全身に痛みが駆け巡る。
「あたしなりに考えたけどさ、やっぱこの世界おかしいよ」
激痛を押し殺し、握ろうとするけど。
手が血で滑り上手く掴めない。
「なんでみんなが死ななきゃならないのさ」
ようやく取っ手に手がかかる。
力を込める。
「幸せのひとかけらも、あの子たちには与えられないって言うの?」
ずるりずるりと、
血を肉を掻き出しながら抜けていく。
「そんなの、あたしが許さない」
そしてついに詮は抜けて。
血が噴水のように吹き出すけれど、そんなことはどうでもいい。
「君の願いは」
あたしの心は決まっている。
願いは一つ。
「大切な人のために、戦う力を」
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