202: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/19(日) 17:13:55.59 ID:hAzv6ppPo
「間に合わなかったのね」
「……ええ、でも彼女の願いを聞いた以上、間に合ってもきっと結果は同じだった」
私の願いと彼女の願いは、ほぼ一致していた。
自分が幸せになりたいがために、他人の事情を蔑ろにしてしまっている点まで。
止めるにはそれこそ、殺すほかなかっただろう。
そしてそんな選択肢、今の私に取れようもなかった。
「そうね、彼女がよく考えて決めたなら、私たちが何を言う筋合いでもないかしら」
「そう思う」
視線を三人の方へやる。
一通り手当ては終わったようで、まどかが慣れた手付きで救急箱を片付けていた。
頃合か。
「そろそろいいかしら、話したいことがある」
ただひたすら真剣に、声を発する。
どうしても伝えなければいけないことで、でもなかなかその機を掴めないでいたもの。
その場はきっとこの時。
彼女たちは先の一言で、既に心の準備を終えていた。
「この街にやがて訪れる災厄について」
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