21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage saga]
2011/06/05(日) 23:30:06.38 ID:Svq2uLgno
「ちょっといくつか聞きたいことが……ってどうかしたの? ひどく震えているけれど」
「ごめん、なさい。 色々と話したいことが、あるのだけれど、また日を改めたい」
おかしな素振りを続ける私を見かねたのか、巴マミが声を掛けてくれるけれど。
私はもう完全に背を向けていた。
ぐしゃぐしゃになったこんな顔、見せられる訳がない。
「そうね、私としても準備があるしそのほうが好都合かも。 ただ早い方が助かるのよ」
「明日で、いい」
「なら家の住所を渡しておくわ。 明日の昼にでも来て頂戴」
「必ず」
手にメモ用紙が乗る感覚を確認し、時間を停止させる。
振り向き。
「助けてくれて、ありがとう。 また会えて本当に良かった」
ひどい涙声だった。
聞こえなくて本当に良かったと思う。
凍った空間の中を、私は逃げるように飛ぶ。というか逃げた。
「……いない。 まったく、不思議な子ね」
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