214: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/19(日) 17:35:23.11 ID:hAzv6ppPo
質問攻めに遭っていたのか、明らかに様子はおかしい。
彼女に負担は掛けたくないけれど、ここで足踏みするわけにもいかない。
少しずつ増えてきた耳鳴りを押し殺しながら、話を続ける。
「何があったの」
「その、ここじゃ、ちょっと」
「問題ない」
聞かれたくない話なら、こうして時を止めればいい。
杏子とまどかの手を握りながら、続きを話すように促す。
その手はひどく震えている。
「……わたしも、お母さんが、電話してるのを、聞いただけなんだけど」
心拍数が増えていく。
私の足も震えているのを、自覚する。
「仁美ちゃんと、上条君が、飛び降り自殺したって」
その言葉が意味するところは。
美樹さやかの欠席が意味するところは。
耳鳴りは行き過ぎて頭痛となり、頭の回転を阻害する。
そもそも真実なのか、美樹さやかは風邪でも引いただけではないのか、楽観視はできるけれど。
全身を伝う悪寒と冷や汗が、その全てを否定していく。
凍りついた教室の空気は、時間停止を解除してもまだ、凍っているように感じられた。
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