221: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/19(日) 17:41:09.91 ID:hAzv6ppPo
**********************************************
病室に足を踏み入れる。
扉を開けてしまった以上、いつまでも廊下に立ち尽くしている訳にはいかない。
ベッドの上には、あたしの親友がいた。
痛々しく全身に包帯を巻きつけて。
「…………仁、美」
「さやかさん」
捻り出した声は、ひどく掠れていた。
何を言えばいいのか。
ただ、こうして生きていてくれたことだけを、ありがたいと感じた。
「申し訳ありません。 上条君を守ることは、できませんでした」
そんなわずかな喜びは、あっという間に霧散する。
彼女の一言によって。
守る?
恭介を?
心中しておきながら、一体何を?
何を言っている?
一体何を?
335Res/235.81 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。