249: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/19(日) 18:04:42.84 ID:hAzv6ppPo
「そう」
語り終えた後の一言は、とても短かった。
私はただ、断罪を待つ。
「こんな小さな体で、ずっと戦ってきたのね」
「……ええ」
「ここで諦める?」
「絶対に、嫌」
「それなら」
強く腕を引かれ、
強く身体を抱きしめられる。
「あなたは決して絶望してはいけない。
あなたの背中には世界が、いえ宇宙が乗せられている。
あなたが犠牲にしてきたもの全てに報いるために、何があっても前を向きなさい」
それはとても厳しい言葉。
でも何故か、すごく優しい言葉に聞こえて。
これで何度目だろうか、涙を流してしまう。
「泣きたい時は泣きなさい、あなたの背負うものに潰されないように」
「う、うぁっ……………………」
「負担を少し軽くしてあげるくらいなら、きっと私にもできるから」
私のやるべきこと。
ワルプルギスの夜を打倒すること。
魔獣の問題を解決し、みんなと一緒に平和を享受すること。
大切な柱が一本折れてしまったけれど、
だからといって、残りの柱を折っていいわけがない。
力を尽くして、それから考えよう。
でも、涙が枯れ果てるまでしばらく、ここで甘えてもいいかな。
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