256: ◆BcaCp9aHJ6[sage saga]
2011/06/19(日) 18:10:09.58 ID:hAzv6ppPo
[ワルプルギスの夜]
舞台装置の魔女。
その性質は無力。
回り続ける愚者の象徴。
この世の全てを戯曲に変えてしまうまで無軌道に世界を回り続ける。
「まどか、リボンを貸してくれないかしら」
「そうすることで、わたしが力になれるなら」
彼女のリボンを受け取り、髪を二つに結ぶ。
背中から翼が躍り出る。
ただでさえ強力なワルプルギスの夜は、魔獣の群れを吸収して肥大化し、
それに留まらず、サーカスの構成員として無数の魔獣を引き連れていた。
尋常の力では抵抗できない。
何故引き継げたのか分からないけれど、これ以外に対抗する手段はもはやなかった。
「あなたたちは、私をワルプルギスの夜本体の所まで送り届けて欲しい」
「確かに、一介の魔法少女の力を超えているね。
ワルプルギスの夜も、君のその黒翼も」
「あなたを送り届けた後は、鹿目さんを守りつつ撤退でいいのかしら?
残党の魔獣たちと交戦する必要は?」
「この魔獣たちは、ワルプルギスの夜の力によって召還されているようだから。
核となる魔女を倒せれば、ほとんどはそれに引きずられて消滅するはず」
「了解よ」
「勝算は、あるのか」
「ええ」
「ならいい、ヘマして死んだりしたら承知しねーぞ」
即答する。
かつては魔獣の前に力尽きた身だけれど、今の私には守るべき物があるから。
決して折れてはいけないと、心に刻み込んだから。
ワルプルギスの夜などに、負けるわけにはいかない。
私のすべきことは、もっともっと先に、あるのだから。
「行きましょう」
翼を広げて飛び立つ。
闇を切り裂きながら。
未来を掴むために。
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