36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage saga]
2011/06/07(火) 23:58:45.13 ID:0lrJo1gHo
最低の目覚めだった。
吐き気がするし頭痛も酷い。ベッドから立ち上がる気すら起きない。
だけれども、ここでもう一回寝たら夢の続きを見てしまう気がして、強引に体を起こす。
頭痛はさらに酷くなる。
今日はこれから巴マミに会いに行く予定だが、あの記憶を呼び起こしてしまった今となっては、
「どんな顔をして、会いに行けばいいの」
迷いばかりが頭を巡る。
私は彼女を見捨てたのに。
それでも会いに行かないと、私は前に進めないから、どっちみち選択肢はないのだけれど。
ぼさぼさになってしまった髪を掻き毟る。
顔を洗って来よう。怖いだとか辛いだとか、そんな甘えを言う権利など私にはない。
彼女達の命を何度も犠牲にしたのは、他ならぬ彼女達を救うためだろう。
冷水を顔に叩き付け、目を覚ます。
手短に髪を整え、着替えを済ませ、家を出た。
足を向ける先は、巴マミの家。
彼女の家の住所を紙に書いて渡されているけれど、それは持ってきていない。
とっくの昔にこの体が覚えている。
日差しがかなり眩しい。太陽は既にほぼ真上まで昇っていた。
こんな時間まで寝ていたのかと、ちょっと自己嫌悪に陥って。
手を太陽にかざしながら空を見上げると、そこに不可思議な歪みを見つける。
「…………また、結界」
頭痛と耳鳴りが止まない。
少々約束の時間に遅れてしまいそうだったが、今は少しありがたかった。
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