45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage saga]
2011/06/08(水) 00:24:51.44 ID:dyIqxHodo
  
  
 「――私には守りたい人がいた。 あなたたちにとてもよく似ていた」 
  
 「思い出して、取り乱してしまった。 迷惑をかけて本当に申し訳ない」 
  
 端的に説明をして、頭を下げた。 
 ……本当に、すまないと思う。 
 巴マミの制服をびしょぬれにしてしまい、今彼女は部屋着に着替えている。 
  
 「まあいいわ、それであなたの気が晴れたなら」 
  
 「ただし、あたしたちはその誰かさんとやらじゃねーからな、そこは勘違いすんなよ」 
  
 「大丈、夫」 
  
 私の返事に、納得してもらえたかどうかは怪しい。 
 こんなナリでは当然か。 
 あと、勘違いするなと言われても、かなり無理があるのだけれど。 
 その感情は無理やりに押し込め、ここに呼ばれた目的を果たすべく、語り始める。 
  
  
  
 「…………話すわ。 あの魔女とも違う存在、魔獣について」 
  
  
  
 その力のこと。 
 その性質のこと。 
 そこまではよかったが、その存在意義については、どうしても推測を混ぜなければならなかった。 
  
  
 「魔獣の求めるものは力、世界を変えてしまうほどの力。 
  この世界の安定を求めて奴らは彷徨い、人々からエネルギーを吸い取っていると思われる。 
  より効率的にエネルギーを回収するため、似通った存在である魔女とその形を融合させながら。 
  ひとまず私は、区別のためこれを魔物と呼んでいる」 
  
  
 しばしの沈黙のあと、声が返る。 
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