63:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage saga]
2011/06/11(土) 00:14:12.98 ID:qTuIu9ono
「ねえ、暁美さんって前はどこの学校にいたの?」
「部活って何かやってたのかな?」
「佐倉さんって暁美さんの従姉妹なんだねー」
「運動神経よさそうだけど、なんかスポーツやってたの?」
「二人ともキレーな髪だねえ、うらやましいなあ」
いつものごとく、最初の休み時間は質問攻めとなる。
けれど二人になったおかげか、その質問の量は余計に増えていて。
佐倉杏子は珍しく慌てたような顔をしていた。
(おいほむら、どーにかしてくれこれ)
(久し振りに私以外の同年代の子と話したんじゃない? もっと喜べばいいのに)
(うっせーぞマミ!)
彼女の弱り果てた頼みなど、滅多に見れるものではなかったし。
私もやるべきことがあったから、それを断る理由もない。
……あえて意識しないようにしていたけれど。
この空間には、私がただ会いたい会いたいと切望し続けた人が、その人が、確かにいる。
震える足を。
高鳴る胸を。
掠れる声を。
全てを総動員して、行動に移す。
「すみません、ちょっと疲れてしまったみたい。
このクラスの保険委員は誰かしら? 保健室まで案内して欲しい」
「あ、ああ、じゃああたしも行くよ。 場所知っといたほうがいいのは同じだしな」
「あ、えっと…………私です」
「よろしく頼むわ」
「鹿目、まどかさん」
時間停止とは全く便利なものだと思う。
どれだけ声を上げて泣いても、誰にも聞かれることはないから。
ここから。
また進んでゆこう、茨の道を。
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