過去ログ - 一方通行「いい子にしてたかァ?」4
1- 20
520: ◆d85emWeMgI[saga]
2011/07/07(木) 20:24:14.53 ID:jECoT9oj0


「貴様!!この神殿では能力が使えないはずでは……」



「確かに予想外でしたの。魔術も超能力も使えないとは。まさか、『アレ』を“あんな風”に配置することでアレなことになり、その副作用として能力が封じられるとは……

それも、『アレ』は、あの無数にある『他のアレ』と殆ど見分けの付かないアレだというのに。正直アナタ方に『あの』構築式を編み出せるような人材がいたことに驚きですの。

ですが、如何なる手品とてタネがわかってしまえば造作もないこと」

「解いたというのか!?アレを!?」

「私一人では無理でしたの。ですが、アックア隊は私と隊長だけではありませんの。アナタが戯れに残した『あの残骸』から導き出してくれましたの、私の仲間が」

「は、ハッタリを言うな!?あの残骸から一体何を……」

「黄金長方形……わかってしまえば答えは実にあっけないもの。アレを、ああいう按配でアレなことにするもの……イタリアで以前見た術式に近い発想ですのね」


白井は軽蔑の眼差しを隠そうともせずに、大佐に視線をくれる。


「獲物を前に舌なめずり……プロとしてはド三下なことをしてくださって本当に感謝してもしきれませんわ。おかげで時間が稼げましたの」


憔悴にやつれた表情は凛然さを際立て、乱れた髪は不思議な調和を見せる。
頬に張り付いた髪は、見苦しいどころか白井に獣の如き美しさを付加している。
目の前に立つ小娘が子猫などではないと人生の大半を戦場で過ごしてきた大佐には本能的にわかった。
目の前に立つ小娘は、小さくとも獲物にいつでも飛び掛ることの出来るしなやかな手足と、喉笛を食い千切る鋭い牙を持った雌豹なのだ。





<<前のレス[*]次のレス[#]>>
542Res/271.22 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice