過去ログ - 中2病SS『ようこそカスミへ!』
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678:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)[sage]
2011/11/09(水) 12:40:49.78 ID:62JmT8wDO
神前新兎とローマ字で書かれた札が見えてくる。
色々納得も行かない点も無かったと言えば嘘になるがもうどうでも良い。
扉のはしはしから光が漏れているようにも思えてならない。
足取り軽やかに…まるで雲の上をはしっているようかな軽快さ。
そして数ヶ月ぶりのナニを思うと顔もほころびヨダレも出てくる。
その姿は不審者そのもので、児童公園であれば即座に周囲から軽蔑の眼差しを向けられ、善良な市民あたりに1と1と0(ただし0が9に差し替えられる可能性もある)をスマートにプッシュされることは想像に難くなかった。
新兎の目の前の風景は実にきらびやかなものだった………
新兎「ああ…この戦艦に来てからというものの、こんな良い思いをしたのは始めてだ!」
新兎「やっぱり神様はいるんだなあ!クソ女からの執拗な職場内暴力に耐え、クソ上司のいやらしい笑顔にも耐え、クソ筋肉野郎の暑苦しさにも耐え」
新兎「毎日のように出される面白味の欠片もなかったカレー味のクソにも耐え、毎日のように小言を老人のように繰り返すクソババアにも耐え、このクソみたいな移住環境にも耐え、俺は我ながら偉いなあ!立派だなあ!!」
新兎「ああ……今は全てのものが美しいではないか……」
新兎「全てが美しく思える…このゴミ溜めだった部屋も、何もない…まっさらな部屋にすら思えてならない」
新兎「ああ……ちり一つない美しい部屋ではないか……」
新兎「押し入れの中だって何にもない!ゴミひとつない!」
新兎「ああ…チリ一つないどころか、生きていく上で必要最低限のものしかこの部屋には存在しない気さえしてきた!」
新兎「我ながら嬉しいからってオーバーな妄想だな!いけないいけない!!」
新兎「あるのは服にティッシュに携帯に………布団」
新兎「そんなわけ、あるわけないもんな!嫌だなぁ俺の妄想ったらぁ〜テレビもプレイヤーもないんだからっ!もうっ、みれないっちゅーのっ!バカッ」
新兎「そうだよね、妄想だよね、いきすぎた妄想だよね」
新兎「あり得ないもんね、家電一式ないとかあり得ないもんね!」
新兎「ねー」
新兎「…ねー」
何度も何度も何度も気持ちの悪い、やけに気持ちの入った独り言を繰り返し自分に問いかけるが、返事は無言のまま、映像として帰ってきた。
新兎「ねー………」
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