過去ログ - 唯「マクロスS」
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8:マクロスS[sage]
2011/06/08(水) 20:04:31.89 ID:cOEQcqmm0

―――

さわ子「ど〜ぞ〜」


美しい長い黒髪の少女が、山中少佐の執務室のドアをノックすると、中から間延びした女性の声が返ってきた。
少女は相変わらずだなと懐かしさに笑みをこぼすが、すぐに表情を引き締め、部屋に入っていった。


澪「本日ひとふたまるまるを持ちまして、山中少佐の部隊に配属になりました、秋山澪中尉であります」

さわ子「ご苦労様。
でも澪ちゃんも相変わらずね〜。
真面目と言うか、硬いと言うか」


自分の前できちんと敬礼をし、挨拶をする少女、秋山澪に、山中さわ子少佐は、懐かしげな眼差しを向ける。


澪「少佐こそ相変わらずで、嬉しく思います」

さわ子「も〜、二人っきりなんだから、そんな呼び方よしてよ。
昔みたいにさわ子先生でいいってぇ」

澪「そう言うわけには」

さわ子「じゃぁ、上官命令!
これからは作戦行動以外ではさわ子先生と呼ぶこと。
なんならさわちゃんでもいいわよ」

澪「ほんと、士官学校の教官されてたころとまったく変わりませんね」


そこで、やっと少女は、年齢相応の笑みをこぼした。

山中さわ子少佐は、秋山澪中尉が、士官学校に通っていたころの教官であった。
ざっくばらんな性格ゆえ、軍や士官学校上層部の覚えは悪かったが、面倒見のよさと、卓越した技術で生徒の人気は高かった。
マクシミリアン・ジーナスの再来と噂される秋山澪中尉ではあるが、山中さわこ少佐が教官でなければ、秋山澪中尉の才能も開花しなかったかも知れない。


澪「でもどうして、さわ子先生は士官学校やめられたんですか?」

さわ子「やっぱり、空飛んでないと感覚忘れちゃうからね。
大事な時に役に立てなきゃ困るでしょ」

澪「確かにそうですね。
軍人たるもの、市民を守れなければ意味ありませんから」

さわ子「そうね。でもね澪ちゃん」


そこでさわ子は初めて表情を引き締めた。



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